ZBC#46 [戦に勝つのは兵の強さ] - ルワンダ中央銀行総裁日記

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課題図書

今回は2017年6月24日に開催されたZenport Book Club #46の図書の中からルワンダ中央銀行総裁日記をご紹介致します。

ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書)

ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書)

要旨

  • 服部正也氏は、IMFの途上国支援の一環として、1965年からの6年間、ルワンダ中央銀行総裁を勤めた人物である。彼がルワンダで行った様々な政策は、その後10年程度の間、ルワンダ経済の順調な発展を後押しした。

  • 服部氏の在任時の業績は主に二つある。一つは通貨改革だ。氏は先ず、二重為替相場制度を廃止し、ルワンダ・フランの対外価値を自由相場並みに切り下げて一本化した。また並行して、外国人優遇税制を廃止し、財政再建を行った。

  • 服部氏のもう一つの業績は、農業をルワンダ経済の持続的発展の基礎におき、ルワンダ人商人の育成を重視したことだ。彼はその一環として、貯蓄金庫を通じたコーヒー集荷資金への融資、市中銀行からのルワンダ商人向けの運転資金融資など、中央銀行総裁の枠を超えた試みを多数行った。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

服部氏のマネジメントは、現場を知り、彼らが自発的に行動する環境を作るということに終始している。これは後藤新平の台湾統治にも通じるものだ。先人の業績にはマネジメントの要諦が詰まっている。


服部氏は組織の盛衰について次のような見解を述べている。すなわち「戦に勝つのは兵の強さであり、戦に負けるのは将の弱さである」と。これはつまり、トップが無能でも、現場の人間が一生懸命働けば、組織は発展できるということだ。この言葉を真として捉えるならば、トップが最も時間を割くべきは、自らの能力向上ではなく、現場の人間が一生懸命働くための環境作りなのかもしれない。

まとめ

今回は、服部正也氏がルワンダでの活躍について説いたルワンダ中央銀行総裁日記を取り上げました。

次回はZBC#47で発表された隷従への道をご紹介します。

Zenport Book Club #46:その他の発表図書、関連図書

なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか―PKO司令官の手記

なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか―PKO司令官の手記

国際金融入門 (岩波新書)

国際金融入門 (岩波新書)

後藤新平―外交とヴィジョン (中公新書)

後藤新平―外交とヴィジョン (中公新書)

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ZBC#45 [180万年前の火遊び] - 火の賜物

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課題図書

今回は2017年6月21日に開催されたZenport Book Club #45の図書の中から火の賜物をご紹介致します。

火の賜物―ヒトは料理で進化した

火の賜物―ヒトは料理で進化した

180万年前に始めて火を利用したヒトは、その恩恵により大いなる進化を遂げていくことになります。

身体の変化、社会性の獲得。

火の習得によって、ヒトは知恵ある者になっていったのです。

しかしなぜ、火が進化を促せたのか?

その鍵を握るのが料理

料理?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 火の利用はヒト属の進化のきっかけとなった。180万年前に起きたホモ・ハビリスからホモ・エレクトスへの進化は、火の利用が契機だと考えられている。

  • 火の利用、それに付随する料理は、食物に2つの変化を引き起こした。一つは食物から摂取できるエネルギーの増加、もう一つは消化に必要とするエネルギーの減少である。これはヒトの身体に2つの影響を与えた。一つは歯、顎、腸などの消化に必要な部位の小型化、もう一つは余剰エネルギーを脳に回せたことによる脳の肥大化である。

  • 火を用いた料理は、ヒトの社会性にも影響を与えた。食物の準備が、採集と料理という2つの工程を踏まえることになった結果、男性は採集、女性は料理という男女間での分業制を生んだのだ。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

火の利用とは即ち、処理のアウトソースである。人体でやらなくて良い処理を外部に託す。企業が業務を他社にアウトソースするのと本質は同じだ。これは、個や集団が進化するためには、如何に外部のリソースを効率よく利用できるかが鍵となることを示している


火が男女間の分業制を生んだという仮説は大変興味深い。これは即ち、新しい技術の出現が、集団内における分業制を生むということだ。コンテナやITの出現が地域間での分業制を生んだのと構造は似ている。

まとめ

今回は、火がヒトの進化に及ぼした影響について説いた火の賜物を取り上げました。

次回はZBC#46で発表されたルワンダ中央銀行総裁日記をご紹介します。

Zenport Book Club #45:その他の発表図書、関連図書

親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る (中公新書)

親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る (中公新書)

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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ZBC#44 [夢無きアメリカ] - ヒルビリーエレジー

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課題図書

今回は2017年6月17日に開催されたZenport Book Club #44の図書の中からヒルビリーエレジーをご紹介致します。

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち

貧困

現在アメリカをこの二文字が覆っています。

これは一般的に、黒人やヒスパニックの問題と考えられていますが、実は多くの忘れ去られた白人の問題でもあります。

彼らは未来に希望を持てないまま、貧困の中で喘いでいます。

その姿はアメリカンドリームという言葉とは似ても似つかないものです。

彼らはなぜ、希望無き世界に佇むのでしょうか?

また彼らをそこから救い出す方法は無いのでしょうか?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 本書の著者であるJ.D.ヴァンスは、ラストベルト(錆びついた工業地帯)の一角であるオハイオ州の出身である。この地域には、多くの貧困に喘ぐ白人、通称ヒルビリー(田舎者)が住んでいる。彼らの生活には、精神的/物質的なセーフティネットが著しく欠けており、その事実が彼らから未来への希望を奪っている。

  • この本が描き出す白人の姿は、2016年の選挙でトランプ現大統領を支持した人物像と重なる。ニューヨークやシリコンバレーからは見えない、貧しい白人達の声なき声が、アメリカの国民国家への揺り戻しを起こしたのだ。しかしこの選択が彼らのような貧しい白人を救うかは分からない。

  • 貧困に喘ぐ白人の生活環境を変えるには、行政で出来ることには限界がある。この点については彼らの自助努力に頼るしかない。しかしそれを促すことは出来る。一つは彼らの親類が心理的/物質的なサポートを行うことによって。もう一つは彼らに目指すべきロールモデルを与えることによって。目指すべき目標と、そのために頑張れる環境があれば、人は上を向いて行きていけるのだ。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

貧困はルサンチマンを産み、国家主義民族主義を産みだす。その行き着く先はファシズムであり、テロリズムだ。この帰結は負の遺産しか産まないことは歴史が証明している。今我々は共に貧困に立ち向かい、断絶しかけている世界を繋ぎ止めねばならないだろう。


個の自立を促すには、周りの支えと目指すべきロールモデルが必要だという示唆は凄く腹落ちする。私自身も結局のところ、周りの支えと、多くのロールモデルの方々のおかげで、これまで道を踏み外さずやってこれている。今度は私が誰かを支え、誰かのロールモデルにならねばと強く思う。

まとめ

今回は、繁栄から取り残された白人について説いたヒルビリーエレジーを取り上げました。

次回はZBC#45で発表された火の賜物をご紹介します。

Zenport Book Club #44:その他の発表図書、関連図書

繁栄からこぼれ落ちたもうひとつのアメリカ―――果てしない貧困と闘う「ふつう」の人たちの30年の記録

繁栄からこぼれ落ちたもうひとつのアメリカ―――果てしない貧困と闘う「ふつう」の人たちの30年の記録

アメリカの真の支配者 コーク一族

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ZBC#43 [砂漠の空中庭園] - イラク建国

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課題図書

今回は2017年6月10日に開催されたZenport Book Club #43の図書の中からイラク建国をご紹介致します。

イラク建国 (中公新書)

イラク建国 (中公新書)

イラク

かつて人類最古の文明を誇ったこの地も、現在は終わりの見えない混乱の中にあります。

フセインの台頭、イラク戦争、ISの誕生。

これらの混乱の種はいつ蒔かれたのでしょうか?

この問いに対し著者は、イラク建国時の歪みが原因であると説きます。

その歪みとはどんなものだったのでしょうか?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • イラク第一次世界大戦後のオスマン・トルコ解体時に出来た人口国家である。イラク建国は、英国などの戦勝国の身勝手な思惑によって行われた。この際に生じた歪みは、現代まで続くイラク混乱の原因となっている。

  • 歪みの原因の一つは統治体制だ。英国は、統治者として多数派のシーア派ではなくスンニ派を選んだ。またスンニ派出身の国王として、元シリア国王であるハーシム家出身のファイサルを頂いた。この少数派であり、かつ国外から連れてきた者を統治者とした体制は、国内に大きな軋轢を生んだ。

  • 歪みのもう一つの原因は国境線の引き方だ。前述の通り、イラクは多数派のシーア派が被支配民となっている。英国は彼らシーア派の影響力を削ぐため、第三勢力となる北方のクルド人も囲う形で国境線を引いた。これは現代まで続く中東混乱の1つ、クルド人問題の遠因となっている。

  • イラク混乱は、部族性の強いこのメソポタミアの地に、国民国家の仕組みを無理やり導入したことにも起因する。この歪みは後に、王政崩壊、サダム・フセインによる軍事独裁政権の誕生、イラク戦争、ISの登場という度重なる混乱を引き起こすことと成る。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

メソポタミア文明という人類最古の文明が栄えた、かつて肥沃な三日月地帯であったこの地が、今や混乱の地と化しているのは大変嘆かわしい。


国造りは大変難しいものだと思い知らされる。国には、地縁、部族、宗教の三点を考慮した国境線、それと腐敗しない統治体制が必要だ。しかしこれは言うは易く行うは難しである。その点、島国、単一民族天皇という3つの特徴を有していた日本は、前者の問題に気を揉む必要がなく、後者の問題だけに集中できた。それが、明治期の迅速な近代国家構築に繋がったのだと思う。


少数民族が多数派を支配するという国家体制は、悲劇的な結末を迎えることが多い。イラクルワンダがその例だ。グローバル化する世界で多くの民族が交わる国家においては、統治体制とはどうあるべきかを考える際の思考材料にしたい。

まとめ

今回は、人口国家イラクの成り立ちについて説いたイラク建国を取り上げました。

次回はZBC#44で発表されたヒルビリーエレジーをご紹介します。

Zenport Book Club #43:その他の発表図書、関連図書

ロレンスがいたアラビア(上)

ロレンスがいたアラビア(上)

砂漠の女王―イラク建国の母ガートルード・ベルの生涯

砂漠の女王―イラク建国の母ガートルード・ベルの生涯

中東 迷走の百年史 (新潮新書)

中東 迷走の百年史 (新潮新書)

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ZBC#42 [シーパワーと国家] - マハン海上権力史論

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課題図書

今回は2017年6月3日に開催されたZenport Book Club #42の図書の中からマハン海上権力史論をご紹介致します。

マハン海上権力史論 (新装版)

マハン海上権力史論 (新装版)

シーパワー

19世紀末期、アメリカ海軍の父「マハン」が提唱したこの概念は、世界各国に大きな影響を与えました。

日露戦争の英雄である秋山真之もマハンに師事し、この考えを日本海軍の戦略に大いに活かしたと言われています。

このシーパワーは、マッキンダーが唱えたランドパワーと対をなし、今でも地政学の核を為す教えてとして広く学ばれています。

ではこのシーパワーとは具体的にどういう概念なのでしょうか?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • シーパワーとは武力、経済力によって海洋を支配する能力である。18世紀以降、多大なるシーパワーを持つ海洋国家は大きく繁栄した。イギリス、オランダ、フランス、スペインなどがその例である。

  • シーパワーの具体的な因子として、a)海軍、b)商船隊、c)根拠地が挙げられる。これらは、1)生産、2)海運、3)植民地という、海洋国を形作る3つの循環する要素を支える役割を持つ。※根拠地とは、戦略的要地、軍事的な優越地点を指す。

  • シーパワーに影響を及ぼす一般条件として、1)地理的位置、2)自然的形態、3)領土の範囲、4)人口、5)国民性、6)政府の性格の6点が挙げられる。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

シーパワー理論は現在のサプライチェーン構築にも大きく活用できるだろう。海軍、商船隊はそのままとして、根拠地はロジスティクスにおけるFCと言ったところだろうか。


まだインターネットが無かった時代に、ハンニバルの時勢にまで遡り、戦略論を紐解いたマハンの調査力、洞察力には尊敬の念を禁じ得ない。


冷戦時のソ連海軍、現代の中国海軍は、このマハンの教えに忠実に従っているなと感じる。特に中国海軍は「米中もし戦わば」にて、孫氏の教えも積極的に取り入れる姿が描かれていた。行動の是非はともかく、その先人の教えを忠実に実行する能力は流石である。

まとめ

今回は、国家が戦争を始めるきっかけについて説いたマハン海上権力史論を取り上げました。

次回はZBC#43で発表されたイラク建国をご紹介します。

Zenport Book Club #42:その他の発表図書、関連図書

リデルハート戦略論 間接的アプローチ 上

リデルハート戦略論 間接的アプローチ 上

マッキンダーの地政学ーデモクラシーの理想と現実

マッキンダーの地政学ーデモクラシーの理想と現実

スパイクマン地政学 『世界政治と米国の戦略』

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  • 発売日: 2017/01/20
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米中もし戦わば

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SBC#41 [屈せざる者] - なぜ国々は戦争をするのか

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課題図書

今回は2017年5月27日に開催されたSendee Book Club #41の図書の中からなぜ国々は戦争をするのかをご紹介致します。

なぜ国々は戦争をするのか 上

なぜ国々は戦争をするのか 上

戦争はなぜ起こるのか

人類の歴史とは、即ち戦争の歴史だと言っても過言ではありません。

誰もが忌避するにも関わらず、なぜ人類は戦争から逃れられないのか?

この問いに対し、第一次世界大戦コソボ紛争パレスチナ紛争、インド・パキスタン紛争といった20世紀の戦争を詳細に分析した著者は、1つの解を提供します。

その解とは?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 先行研究はこれまで、戦争とは人間が制御できない要因によって起こると主張してきた。しかしそれは違う。戦争とは人間性が現れた現象でしかない。そのため人間は必ずこれは制御、克服できる。

  • 戦争が起こる原因は、決定的な場所にいる意思決定者の共感力の欠如に尽きる。ここで言う共感力とは、相手の立場に立って想像する能力である。

  • 戦争が起こるかを判断するには、次の5つの認識を精査する必要がある。これらの認識に誤りが生じるとき、人間は戦争に突入する。第一次世界大戦時が勃発したのも、ヒトラースターリンの認識に誤りが生じていたためである。

    • 指導者の自国に対する認識
    • 指導者の敵国の性質に対する認識
    • 指導者の敵国の意図に対する認識
    • 指導者の敵国の国力と能力に対する認識
    • 指導者の敵国への想像力の水準

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

人間の根本にある性質は「万人の万人に対する闘争」である。この闘争状態を止める1つの要因はパワーバランスだ。しかし人類は、それ以外に「empaty(共感力)」という抑制手段も生み出した。これは人類が誇るべき無上の産物だと思う。このempatyなるモノが生まれた経緯については、もう少し研究を続けたい。


戦争を無くすにはどうすればいいか。私は十分な食料と電気を、全ての人に提供出来れば無くなると思っている。私はこの仮説を、人生を通して検証したいと思っている。

まとめ

今回は、国家が戦争を始めるきっかけについて説いたなぜ国々は戦争をするのかを取り上げました。

次回はSBC#42で発表されたマハン海上権力史論をご紹介します。

Sendee Book Club #41:その他の発表図書、関連図書

戦争の世界史(上) (中公文庫)

戦争の世界史(上) (中公文庫)

暴力の人類史 上

暴力の人類史 上

戦争論〈上〉 (中公文庫)

戦争論〈上〉 (中公文庫)

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SBC#40 [三分の天災、七分の人災] - 毛沢東の大飢饉

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課題図書

今回は2017年5月24日に開催されたSendee Book Club #40の図書の中から毛沢東の大飢饉をご紹介致します。

毛沢東の大飢饉  史上最も悲惨で破壊的な人災 1958?1962

毛沢東の大飢饉 史上最も悲惨で破壊的な人災 1958?1962

大躍進政策

1958年、毛沢東の号令によって始まったこの農業・工業の大増産政策は、想定とは裏腹に、多くな餓死者を出す結果に終わりました。

そして、このとき生じた混乱は、数年後、文化大革命という形で、更なる混乱を中国大陸に引き起こします。

この大躍進政策は、なぜ始まり、どうしてこのような惨憺たる結果に終わったのでしょうか?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 毛沢東は1958年に大躍進政策という、農業・工業の大増産政策を開始した。そのきっかけはソ連への対抗心であった。ソ連のフルシチョフが掲げた農業生産計画に対抗するために、毛沢東大躍進政策を始めたのだ。その目標は、農工業の生産指標において3年以内に、当時世界第二位の経済大国の英国を抜くという、到底実現不可能なものだった。

  • 毛沢東が推し進めた大躍進政策は、実現可能性から乖離した過大なノルマ、ずさんな管理によって、農業・工業の生産性を大幅に低下させた。結果、中国全土に大飢饉を引き起こした。1958年~1962年の間に、少なくとも4,500万人が避けられたはずの死を遂げたと言われている。

  • 1962年の党大会にて、毛沢東大躍進政策の失敗を認め国家主席を辞任する。その後、毛沢東の側近であり、かつ大躍進政策を終始批判していた劉少奇が党主席となり、中国を率いることになる。しかしこのとき生じた党内の亀裂が、後に文化大革命を引き起こすことになる。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

大躍進政策の失敗は、昨今の日本の大企業の不祥事と根は同じだ。トップの顔色だけ見て、顧客(国民)を見ない姿勢。実態とは乖離した数字を作りだし、それに安堵する非誠実さ。失敗する組織の特徴は、国家であれ企業であれ変わらない。組織づくりの他山の石としたい。


大躍進政策&文革から改革開放への国民性の変化は、同じ国とは思えないほどの変わりようである。私が知っている中国人の性質は、本書で描かれる全体主義服従するそれとは大きく異る。中国人も朱に交われば赤くなるのだろう。とかく、私は1年滞在しただけで知った気になっていたが、実のところ中国という国を、まだ全然知らないのだと思わされた。

まとめ

今回は、大躍進政策の惨状について説いた毛沢東の大飢饉を取り上げました。

次回はSBC#41で発表されたなぜ国々は戦争をするのかをご紹介します。

Sendee Book Club #40:その他の発表図書、関連図書

毛沢東大躍進秘録

毛沢東大躍進秘録

国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源

国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源

現代中国の父 トウ小平(上)

現代中国の父 トウ小平(上)

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