#8 【本当に適切な豊かさの指標?】~ GDP<小さくて大きな数字の歴史>

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課題図書

今回は2016年11月5日に開催されたSendee Book Club #8の図書の中から GDP<小さくて大きな数字の歴史>をご紹介致します。

GDPは経済規模の指標として最もよく使われている指標ですが、この数字は何を測ったものなのでしょうか? そしてこの数字にはどういう意味があるのでしょうか? 大きければ大きいほど良いのでしょうか?

数式なしに経済学でよく使われるGDPの歴史を紐解いていきます。では要旨を見ていきましょう。

要旨

  • GDPはWW2時の戦争調達費用の統計資料として開発された。GDPは、WW2後の大量生産社会においては、経済規模を測る指標として大変有効に機能した。

  • しかし、GDPは現在の経済を測る指標としては3つの課題を抱えている。

    1. イノーベーションの価値を算出できない
    2. 質を計算できないため、サービスや無形資産の算出が困難。
    3. 持続可能性を測れない。
  • 現在GDPに変わる指標も提唱されているが、それらは未だGDPを代替するに至っていない。ゆえに今後も当分は、我々はGDPを使いつづける他ない。しかしそれが我々の経済の豊かさを完全に繁栄する指標でないことは重々承知しておくべきだ

参加者の見解

参加者からは次のような意見が出されました。

統計資料の結果とは、計算方法でどうにでもなる。一方GDPの計算方法は多くの国では開示されていない。日本然り、中国然り。すなわち恣意的に修正しようと思えば出来るということ。常にその心配があることを理解すべき。

サブプライムショックなどの大きな金融危機が発生すればGDPの数%が失われることになります。しかし、私達の生活が直接貧しくなるということはないでしょう。計算によって算出された数値はあくまで参考値であって、本当の豊かさはGDPのみでは測れないのかもしれません。

経済が複雑さを。その国の実態を知りたければ、数字を見るでなく、実際に足を運んで目耳肌で感じるべき。

その国の経済環境を知るには統計的データに加えて実地調査が欠かせません。例えば中国の不動産バブルも実際にマンションに足を運んで見ればわかることです。机上の数値に惑わされることなく一次情報で判断することがビジネスでは必要不可欠です。

まとめ

今回はGDPという指標の歴史について論じたGDP<小さくて大きな数字の歴史>を取り上げました。 次回はSBC#9で発表されたコンテナ物語をご紹介します。

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