SBC#18 【愛だけでは国際平和は実現できない?】~ 国際秩序

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課題図書

今回は2017年1月21日に開催されたSendee Book Club #18の図書の中から 国際秩序をご紹介致します。

国際秩序

国際秩序

国際秩序を実現するためにはどうすればいいのか?

ニクソン政権で大統領補佐官、フォード政権では国務長官を歴任したキッシンジャーは、この問いに対しある解を提示します。

これまで国際政治の最前線で活躍してきた彼が導き出した答とは何なのでしょうか?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 現代の国際秩序はヴェストファーレン和平条約に基づいてる。これは30年戦争を和平に導くために交わされた条約であり、その本質は力と正統性に基づく相互不干渉である。本条約により紛争が起きた際には話し合いをもって解決するという考えが生まれ、それが国民国家という概念を産んだ。

  • 一方これまで世界各地ではその地域特有の秩序が構築されていた。例えば中国では古来より中国皇帝を頂点とするヒエラルキー型の秩序が共有されていた。周辺国家は全て中国の属国であり、中国がリーダーとして率いることで世界の秩序が保たれると考えられてきたのだ。またイスラムでは、神の力により認められた1つの政府が世界を統一するという国際秩序の概念が共有されてきた。

  • 第二次世界大戦以降、国際秩序を形作るのに最大の役割を果たしてきたのは米国である。米国は「全ての人類のために行動する」という考えのもと行動してきた。この考えはセオドア・ルーズベルトウッドロー・ウィルソンという2人の大統領の理念が基になっている。。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました。

国際秩序を形作るのは力の均衡だという著者の意見は含蓄を含んで感じられる。昨今、安全保障のためには武力は必要無く対話だけで臨むべきという意見が聞こえるが、それはこの力の均衡の前提を無視した暴論と言える。

愛と対話だけでは平和は実現できない。私たちの平和は、実は武力の均衡で実現されていることを肝に命じておかなければなりません。

中国が主役として躍り出た後の国際秩序の形はどうなるのだろうか。ヴェストファーレン条約に基づく秩序は欧州発のものである。これまでは欧州、またそれと類似する米国が覇権を握っていたため本条約による秩序が為されていた。しかし今後、根本の考え方が異なる中国が盟主として躍り出た場合秩序の形は変化するだろう。

参加者から上がった意見は以上です。皆さんはどのような意見を持たれましたか?

まとめ

今回は国際秩序の実現方法について論じた国際秩序を取り上げました。

次回はSBC#19で発表されたニワトリ 人類を変えた大いなる鳥をご紹介します。

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