SBC#19 【ニワトリを通して覗く人類史】~ ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥

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課題図書

今回は2017年1月28日に開催されたSendee Book Club #19の図書の中から ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥をご紹介致します。

ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥

ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥

「ニワトリ」

動物史上、これまで繁栄を遂げた種は他にありません。

彼らがここまで世界中に種を拡げられた理由、それは人類との共存でした。 食料、宗教、娯楽、様々な側面で人類と補完関係を築くことで、ニワトリはこれほどの繁栄を手にしたのです。

ではニワトリはなぜここまで人類と深い関係を築けたのでしょうか?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • ニワトリは人類にとって、栄養と医療の観点で必要不可欠の家畜である。栄養面ではニワトリは貴重なタンパク源となっている。安価で栄養価の高いその肉や卵は世界中の人々の栄養を支えているのだ。また、医療面ではニワトリはインフルエンザワクチン作成に使われることで人類に多大なる貢献をしている。

  • ニワトリは当初は家畜(食料)ではなく、宗教、実用または娯楽の用途として広まった。例えば日本神話ではニワトリは神の使いとして扱われているし、古代ローマでは鳥ト官という神官が政治の一端を担っていた。実用面で言えば、その羽根は飾りに、骨は縫い物に、鳴き声は時計として世界各地の文化で利用されてきた。またフィリピンでは闘鶏という娯楽の用途として未だに使われている。

  • ニワトリは現在世界で最も個体数の多い家畜であり(その数は200億羽程度)、南極大陸を除く全ての場所に存在している。その理由はニワトリの可塑性である。様々な品種を作り出すことができ、雑多な餌を食べ、各地の気候や狭い土地に適応できることでニワトリは世界中に広まったのだ。

  • ニワトリは進化論、並びに人類の世界のへの拡大を知る上でも貴重な存在だ。かのダーウィンは多種のニワトリを進化論の研究に用いたことで知られている。また、ニワトリは人類が各大陸へ進出した軌跡を辿る鍵にもなっている。これまで、太平洋の島々に人類がどうやって移住したかを解き明かすのは議論の別れるところだったが、各地に残されたニワトリのDNAを解析することで2つのルートが有望であることがわかってきた。ニワトリを通して、私たちは自らの来し方を知ることが出来たのだ。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました。

銃・病原菌・鉄では、生物の中で家畜化に成功している動物は、牛・馬・羊のようにごく小数しかいないことがわかっている。ニワトリもその一つであるが、ではこれらの動物に共通する項目は何なのだろうか。もっと深く掘り下げたい。

動物の数は数多あれど、人間が家畜として手なづけた種はわずか数種です。ではそれらはなぜ家畜となれたのか? 組織論にも通じそうな深いテーマな気がします。読者の方も時間があれば考察してみてはいかがでしょうか?

ニワトリがここまで広まったのは、宗教の観点でタブーになっていないことが大きいだろう。ヒトが生み出した思想によって種の趨勢が決まる。ニワトリは絶滅とは真逆の方向に振れているが、行き着く先が食料だと考えると、それは幸せなのかどうか考えものである。

参加者から上がった意見は以上です。皆さんはどのような意見を持たれましたか?

まとめ

今回はニワトリと人類の軌跡について論じたニワトリ 人類を変えた大いなる鳥を取り上げました。

次回はSBC#20で発表された暴力の人類史をご紹介します。

Sendee Book Club #19:その他の発表図書、関連図書

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