SBC#29 [生命とは量子力学の賜物?] - 量子力学で生命の謎を解く
課題図書
今回は2017年4月8日に開催されたSendee Book Club #29の図書の中から量子力学で生命の謎を解くをご紹介致します。
- 作者: ジム・アル-カリーリ,Jim Al-Khalili,ジョンジョー・マクファデン,Johnjoe McFadden,水谷淳
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2015/09/16
- メディア: 単行本
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生命とは何か
シュレディンガーが問いて以降、この深遠なる命題は、未だに私達の前に鎮座しています。
この人類にとって最も重要でありながら、最も困難な問いに対して、本書の著者は一筋の光を照らします。
その鍵を握るのは量子力学。
彼らがたどり着いた光とは、一体どんなものなのでしょうか?
要旨を見ていきましょう
要旨
近年、量子生物学という学問が注目を浴びている。これは、量子力学を使って、生命現象を解き明かす学問である。
量子生物学が対象とする分野は酵素作用、光合成、嗅覚や磁気感覚、遺伝など、多岐にわたる。これらの現象には量子力学が関わっていることが既に分かっている。
生命は、量子力学が支配するミクロなスケールより著しく大きい。しかし、量子力学特有の現象に影響を受けている。これは生命以外の物質には見られないものだ。これより生命とは、マクロなスケールにありながら量子力学に支配されるモノ、であると定義できる。
更に本書では、意識、生命の起源といったものまで、量子力学で説明できる可能性があると説く。未だ人間の人智の及ばない、これらの分野を解き明かすカギは、量子力学にあるのだ。
参加者の見解
本書に対し参加者からは次のような意見が出されました
量子力学が秩序を作り出すという思考は大変興味深い。これまでは、エントロピー増大の法則があるなら、なぜ世界は未だにこれほど秩序だっているのかが不思議だった。しかしそれは量子力学によるものなのだと、今は理解できている。
皇帝の新しい心を著したロジャー・ペンローズ教授も、人間の意識を解き明かすには、量子重力論の確立が必要だと説いた。その点は本書の主張に通じる。これまでは疑念の念を持って感じられたロジャー教授の主張が、本書によって幾分腹落ちして感じられるようになった。
参加者から上がった意見は以上です。皆さんはどのような意見を持たれましたか?
まとめ
今回は、量子力学を用いて生命現象を解き明かした量子力学で生命の謎を解くを取り上げました。
次回はSBC#30で発表された遺伝子の社会をご紹介します。
Sendee Book Club #28:その他の発表図書、関連図書
- 作者: シュレーディンガー,Erwin Schr¨odinger,岡小天,鎮目恭夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/05/16
- メディア: 文庫
- 購入: 13人 クリック: 99回
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- 作者: ロジャーペンローズ,Roger Penrose,林一
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1994/12
- メディア: 単行本
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