SBC#34 [自由と孤独] - 自由からの逃走
課題図書
今回は2017年4月29日に開催されたSendee Book Club #34の図書の中から自由からの逃走をご紹介致します。
- 作者: エーリッヒ・フロム,日高六郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1965/12
- メディア: 単行本
- 購入: 27人 クリック: 216回
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自由
近現代の人類の歴史とは、この言葉を中心に回ったと言っても過言ではありません。
人は自由を求め戦い、遂にそれを勝ち取ったが、その重さに戸惑い、遂にはそれを手放してしまった。
かくして、なぜ人はこれほどまでに自由に惹きつけられ、そしてそれを恐れるのでしょうか?
要旨を見ていきましょう。
要旨
自由は近代人に独立と合理性を与えた。しかし一方で、個人を孤独に陥れ、個人を不安な無力なものにするという負の側面もはらんでいた。
20世紀初期、多くの人間は自由の重さに耐えられなくなった。それゆえドイツでは、人々は積極的にナチズムのような全体主義イデオロギーに傾倒するようになった。またアメリカやイギリスのような民主主義国家でも、社会が求める既成の行動様式へ順応することで、自由から逃れようとした。
人々は今、自由の重荷から逃れて依存と従属を求めるか、人間の独自性と個性に基づいた積極的な自由の完全な実現に進むかの二者択一を迫られている。
参加者の見解
本書に対し参加者からは次のような意見が出されました
本書のテーマの1つである「孤独」とは、私にとって、18際のときからの1つのテーマであった。本書の孤独が自由に起因するという仮説は、1つの示唆を与えてくれた。
夏目漱石は、それからにて、自由と孤独からの逃避は両立し得ないことを著している。私もこれに同意する。フロムは積極的な自由なるものを問いているが、それが自由である限り、孤独からは逃げられない。私達に与えられた選択肢は、自由と孤独の包容か、自由を放棄した他者依存だけだろう。ただ、だからと言って、それが悲惨なものとは限らない。
まとめ
今回は、自由の重さについて説いた自由からの逃走を取り上げました。
次回はSBC#35で発表された生物はなぜ誕生したのかをご紹介します。
Sendee Book Club #34:その他の発表図書、関連図書
- 作者: フロイト,高橋義孝,下坂幸三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1977/02/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 夏目漱石
- 発売日: 2012/09/27
- メディア: Kindle版
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