SBC#35 [生物の起源は火星?] - 生物はなぜ誕生したのか
課題図書
今回は2017年5月3日に開催されたSendee Book Club #35の図書の中から生物はなぜ誕生したのかをご紹介致します。
- 作者: ピーター・ウォード,ジョゼフ・カーシュヴィンク,梶山あゆみ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/01/13
- メディア: 単行本
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生物は、どこから来たのか?
これは自然科学から宗教まで包含する、歴史上、最も壮大な問いです。
この問に対し、本書の著者らは、大変興味深い仮説を投げかけます。
即ち、生物は火星から来たのだと。
また本書では、地球上で起こった生物の栄枯盛衰の模様も描かれます。
そして、それを引きおこした犯人についての言及も。
その犯人とは?
要旨を見ていきましょう。
要旨
生物の痕跡として最も古いのは、西オーストラリア州のエイペクス・チャートで見つかった化石群である。これにより、少なくとも34億年前には、生物は地球上に存在していたことが明らかとなった。
生物誕生の起源としては、3つの説が唱えられている。海底の熱水噴出孔で生まれたという説、大気中のメタンから生まれたという説、そして本書の著者が説く、火星由来説である。
生物の栄枯盛衰に大きな影響を与えたのは、酸素と二酸化炭素濃度のバランスだ。両者はトレードオフの関係にあり、その変化は地球の生態系に大きな影響を与えてきた。
これまで生物は10回、大量絶滅に巻き込まれている。その主な原因は、二酸化炭素過多による温室効果だ。二酸化炭素濃度が高まり、酸素を絶たれたことで、多くの種が絶滅したのだ。一方でカンブリア爆発に代表される、新しい種の放散は、酸素濃度の上昇によって行われた。
本書では、スノーボールアース仮説という興味深い説も提示されている。これは、地球はこれまで少なくとも2回、全体が氷に覆われる事態に見舞われたという説だ。これは世界各地の残る地層のデータから、ほぼ間違い無いと言われている。
参加者の見解
本書に対し参加者からは次のような意見が出されました
生物はなぜ出来たのか、地球はなぜこうあるのか、という気が遠くなるような問いに、神という安易な逃げ道を作らず、愚直に、仮説と証拠で向き合う科学者の姿勢には、尊敬の念を禁じ得ない。
34億年という途方も無い期間の間、一度も生物が途絶えなかったということは驚愕すべきことだ。そこには何か、途絶えてはならないという、生物全体に共有された思いがあるように感じられる。
本書は、三畳紀末期、白亜紀末期の大量絶滅の後に、恐竜、哺乳類などの新しい種が覇権を取れたのは、その環境にいち早く適応したからだと論じている。これは人間社会、経営とも通じるものだ。生物の生存・拡大戦略からは、経営を行う上で、多くのコトを学べるだろう。
まとめ
今回は、生物の起源と進化について説いた生物はなぜ誕生したのかを取り上げました。
次回はSBC#36で発表されたマイクロバイオームの世界をご紹介します。
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