SBC#41 [屈せざる者] - なぜ国々は戦争をするのか
課題図書
今回は2017年5月27日に開催されたSendee Book Club #41の図書の中からなぜ国々は戦争をするのかをご紹介致します。
- 作者: ジョン・G・ストウシンガー,等松春夫,比較戦争史研究会
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2015/10/27
- メディア: 単行本
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戦争はなぜ起こるのか
人類の歴史とは、即ち戦争の歴史だと言っても過言ではありません。
誰もが忌避するにも関わらず、なぜ人類は戦争から逃れられないのか?
この問いに対し、第一次世界大戦、コソボ紛争、パレスチナ紛争、インド・パキスタン紛争といった20世紀の戦争を詳細に分析した著者は、1つの解を提供します。
その解とは?
要旨を見ていきましょう。
要旨
先行研究はこれまで、戦争とは人間が制御できない要因によって起こると主張してきた。しかしそれは違う。戦争とは人間性が現れた現象でしかない。そのため人間は必ずこれは制御、克服できる。
戦争が起こる原因は、決定的な場所にいる意思決定者の共感力の欠如に尽きる。ここで言う共感力とは、相手の立場に立って想像する能力である。
戦争が起こるかを判断するには、次の5つの認識を精査する必要がある。これらの認識に誤りが生じるとき、人間は戦争に突入する。第一次世界大戦時が勃発したのも、ヒトラー、スターリンの認識に誤りが生じていたためである。
- 指導者の自国に対する認識
- 指導者の敵国の性質に対する認識
- 指導者の敵国の意図に対する認識
- 指導者の敵国の国力と能力に対する認識
- 指導者の敵国への想像力の水準
参加者の見解
本書に対し参加者からは次のような意見が出されました
人間の根本にある性質は「万人の万人に対する闘争」である。この闘争状態を止める1つの要因はパワーバランスだ。しかし人類は、それ以外に「empaty(共感力)」という抑制手段も生み出した。これは人類が誇るべき無上の産物だと思う。このempatyなるモノが生まれた経緯については、もう少し研究を続けたい。
戦争を無くすにはどうすればいいか。私は十分な食料と電気を、全ての人に提供出来れば無くなると思っている。私はこの仮説を、人生を通して検証したいと思っている。
まとめ
今回は、国家が戦争を始めるきっかけについて説いたなぜ国々は戦争をするのかを取り上げました。
次回はSBC#42で発表されたマハン海上権力史論をご紹介します。
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