ZBC#46 [戦に勝つのは兵の強さ] - ルワンダ中央銀行総裁日記
課題図書
今回は2017年6月24日に開催されたZenport Book Club #46の図書の中からルワンダ中央銀行総裁日記をご紹介致します。
- 作者: 服部正也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/11/01
- メディア: 新書
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要旨
服部正也氏は、IMFの途上国支援の一環として、1965年からの6年間、ルワンダ中央銀行総裁を勤めた人物である。彼がルワンダで行った様々な政策は、その後10年程度の間、ルワンダ経済の順調な発展を後押しした。
彼の在任時の業績は主に二つある。一つは通貨改革だ。氏は先ず、二重為替相場制度を廃止し、ルワンダ・フランの対外価値を自由相場並みに切り下げて一本化した。また並行して、外国人優遇税制を廃止し、財政再建を行った。
彼のもう一つの業績は、農業をルワンダ経済の持続的発展の基礎におき、ルワンダ人商人の育成を重視したことだ。彼はその一環として、貯蓄金庫を通じたコーヒー集荷資金への融資、市中銀行からのルワンダ商人向けの運転資金融資など、中央銀行総裁の枠を超えた試みを多数行った。
参加者の見解
本書に対し参加者からは次のような意見が出されました
服部氏のマネジメントは、現場を知り、彼らが自発的に行動する環境を作るということに終始している。これは後藤新平の台湾統治にも通じるものだ。先人の業績にはマネジメントの要諦が詰まっている。
服部氏は組織の盛衰について次のような見解を述べている。すなわち「戦に勝つのは兵の強さであり、戦に負けるのは将の弱さである」と。これはつまり、トップが無能でも、現場の人間が一生懸命働けば、組織は発展できるということだ。この言葉を真として捉えるならば、トップが最も時間を割くべきは、自らの能力向上ではなく、現場の人間が一生懸命働くための環境作りなのかもしれない。
まとめ
今回は、服部正也氏のルワンダでの活躍について説いたルワンダ中央銀行総裁日記を取り上げました。
次回はZBC#47で発表された胡椒 暴虐の世界史をご紹介します。
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