ZBC#61 [複雑系とチーム] - TEAM OF TEAMS

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課題図書

今回は2017年9月9日に開催されたZenport Book Club #61の図書の中からTEAM OF TEAMSをご紹介致します。

TEAM OF TEAMS (チーム・オブ・チームズ)

TEAM OF TEAMS (チーム・オブ・チームズ)

  • 作者: スタンリー・マクリスタル,タントゥム・コリンズ,デビッド・シルバーマン,クリス・ファッセル,吉川南,尼丁千津子,高取芳彦
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2016/04/01
  • メディア: 単行本
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チームビルディング

マネジメントの中心と言っても良いこのテーマは、現在大きな転換点を迎えていると著者は説きます。

すなわち「計画・実行型」組織から「適応型」組織への転換が必須であると。

その事実を、元米軍大将である著者は、自身の戦地での経験を基に解き明かします。

ではなぜ、現代では求められる組織が変わっているきているのでしょうか。

またその組織を構築するためにリーダーに求められる能力とは何なのでしょうか。

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 情報が世界を瞬時に周り、状況が絶え間なく変化する現代においては、指揮系統型の組織では環境変化に対応できない。このような複雑系の社会では、1つのチームの中に少数のチームが存在する組織(TEAM OF TEAMS)を作る必要がある。

  • 産業革命以降主流だったテイラーの科学的管理手法は、反復可能なプロセスを高効率で実施する場面では有効的だった。しかしこれは、変化が激しい現代では機能しなくなっている。現代の複雑さは予測不可能なため、計画と予測に基づく要素還元主義的マネジメントでは対応できない。

  • 状況に応じて、現場の人間が自由に対応する組織を作るには、情報共有の透明性を高める必要がある。ビジョンの共有、戦略の共有、最新状況の共有という各レイヤーの情報を全メンバーに共有する必要がある。

  • 現代のリーダーに求められるのは、菜園主的リーダーシップである。メンバーを見守りつつも手は出さない。組織が活動する生態系を作り、維持することがリーダーの役割となる。これは従来の、指揮系統型のリーダー像とは大きく異るものである。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

本書もイーロン・マスクも言っていることは同じである。すなわち、複雑系ではトップダウンは通用しない。個が自発的に動く必要がある。それに必要なのが、組織のビジョンの共有であり、組織のビジョンと個人のモチベーションの同調なのだ。


ハンニバル、ナポレオン、信長のようなリーダーに憧れる自分としては、現代で求められるリーダー像が彼らとは異なるという事実は少々残念である。しかしそれが時代の要請であれば従うほかない。

まとめ

今回は、複雑系におけるチームのあり方について説いたTEAM OF TEAMSを取り上げました。

次回はZBC#62で発表されたネアンデルタール人は私たちと交配したをご紹介します。

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