ZBC#64 [人間賛歌] - ルネサンスの歴史
課題図書
今回は2017年9月20日に開催されたZenport Book Club #64の図書の中からルネサンスの歴史をご紹介致します。
ルネサンスの歴史(上) - 黄金世紀のイタリア (中公文庫)
- 作者: I・モンタネッリ,R・ジェルヴァーゾ,藤沢道郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/11/18
- メディア: 文庫
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14世紀にイタリアで起こったこの人文主義への回帰は、多くの変化を西欧にもたらしました。
芸術観の変化、マキャベリズムの誕生、そして宗教の再定義。
このルネサンスはなぜ起こり、そしてなぜ衰退したのでしょうか。
要旨を見ていきましょう。
要旨
ルネサンスとは、キリスト教的社会から開放されて、古代ギリシャ、ローマのような自分主義を復活させようとする動きである。これは14世紀のイタリアで起こり、西欧各国へと広がっていた。
ルネサンスの繁栄を後押ししたのはメディチ家であった。フィレンチェにて銀行業を営み、莫大な資産を手に入れたこの一族は、ルネサンス文化の庇護者となった。
ルネサンス期を彩ったのは、多くの芸術会の巨人である。ルネサンス初期にはダンテ、ボッカチオ、ペトラルカなどの詩人が活躍した。またルネサンス後期には、レオナルド・ダ・ビンチ、ラファエロ、ミケランジェロなどの画家、彫刻家が多くの著名な作品を著した。
ルネサンス末期に起きた事象として外せないのが宗教改革である。これはメディチ家出身のレオ10世が教皇庁の資産を浪費し、補填のために免罪符を発行したことに端を発する。これに反発したルターが聖書への復帰を促し、カトリックからプロテスタントが分離することになる。
ルネサンス衰退のきっかけはコロンブスによる新大陸発見であった。これにより、地中海に向けられていた意識が、新世界へと向けられるようになった。またこの動きはスペイン、ポルトガル、オランダなどの国によって行われた。これをきっかけとして、イタリアはヨーロッパ史の主役から転落することになる。
参加者の見解
本書に対し参加者からは次のような意見が出されました
ルネサンスと宗教改革の起こりが、言葉の取得(ラテン語から国民語へ)と関連があるのは大変興味深い。人は言葉を手に入れ、集団内で考えを共有する術を得た。それによって権威から解放された。人が本来あるべき姿への遷移。それを後押しする技術の発達。人類史はこの言葉に集約できる。
世界の流れを見る上で、地政学の観点は欠かせない。ルネサンスがイタリアで起こったのは、中東のイスラム社会と近く、彼らとの貿易で栄えたからであるし、また植民地時代に遅れをとったのは、外洋に出づらかったからだ。人類史、時代を左右する事項として地政学の観点は欠かすことは出来ない。
まとめ
今回は、ルネサンスのあらましについて説いたルネサンスの歴史を取り上げました。
次回はZBC#65で発表されたコネクトームをご紹介します。
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- 作者: ブルクハルト,柴田治三郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1974/05/10
- メディア: 文庫
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- 発売日: 2015/04/08
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2016/02/25
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1989/01/17
- メディア: 文庫
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定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)
- 作者: ベネディクト・アンダーソン,白石隆白石さや
- 出版社/メーカー: 書籍工房早山
- 発売日: 2007/07/31
- メディア: 単行本
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