SBC#35 [生物の起源は火星?] - 生物はなぜ誕生したのか

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課題図書

今回は2017年5月3日に開催されたSendee Book Club #35の図書の中から生物はなぜ誕生したのかをご紹介致します。

生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学

生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学

生物は、どこから来たのか?

これは自然科学から宗教まで包含する、歴史上、最も壮大な問いです。

この問に対し、本書の著者らは、大変興味深い仮説を投げかけます。

即ち、生物は火星から来たのだと。

また本書では、地球上で起こった生物の栄枯盛衰の模様も描かれます。

そして、それを引きおこした犯人についての言及も。

その犯人とは?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 生物の痕跡として最も古いのは、西オーストラリア州のエイペクス・チャートで見つかった化石群である。これにより、少なくとも34億年前には、生物は地球上に存在していたことが明らかとなった。

  • 生物誕生の起源としては、3つの説が唱えられている。海底の熱水噴出孔で生まれたという説、大気中のメタンから生まれたという説、そして本書の著者が説く、火星由来説である。

  • 生物の栄枯盛衰に大きな影響を与えたのは、酸素と二酸化炭素濃度のバランスだ。両者はトレードオフの関係にあり、その変化は地球の生態系に大きな影響を与えてきた。

  • これまで生物は10回、大量絶滅に巻き込まれている。その主な原因は、二酸化炭素過多による温室効果だ。二酸化炭素濃度が高まり、酸素を絶たれたことで、多くの種が絶滅したのだ。一方でカンブリア爆発に代表される、新しい種の放散は、酸素濃度の上昇によって行われた。

  • 本書では、スノーボールアース仮説という興味深い説も提示されている。これは、地球はこれまで少なくとも2回、全体が氷に覆われる事態に見舞われたという説だ。これは世界各地の残る地層のデータから、ほぼ間違い無いと言われている。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

生物はなぜ出来たのか、地球はなぜこうあるのか、という気が遠くなるような問いに、神という安易な逃げ道を作らず、愚直に、仮説と証拠で向き合う科学者の姿勢には、尊敬の念を禁じ得ない。


34億年という途方も無い期間の間、一度も生物が途絶えなかったということは驚愕すべきことだ。そこには何か、途絶えてはならないという、生物全体に共有された思いがあるように感じられる。


本書は、三畳紀末期、白亜紀末期の大量絶滅の後に、恐竜、哺乳類などの新しい種が覇権を取れたのは、その環境にいち早く適応したからだと論じている。これは人間社会、経営とも通じるものだ。生物の生存・拡大戦略からは、経営を行う上で、多くのコトを学べるだろう。

まとめ

今回は、生物の起源と進化について説いた生物はなぜ誕生したのかを取り上げました。

次回はSBC#36で発表されたマイクロバイオームの世界をご紹介します。

Sendee Book Club #35:その他の発表図書、関連図書

生命、エネルギー、進化

生命、エネルギー、進化

植物が出現し、気候を変えた

植物が出現し、気候を変えた

生と死の自然史―進化を統べる酸素

生と死の自然史―進化を統べる酸素

恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた (文春文庫)

恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた (文春文庫)

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SBC#34 [自由と孤独] - 自由からの逃走

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課題図書

今回は2017年4月29日に開催されたSendee Book Club #34の図書の中から自由からの逃走をご紹介致します。

自由からの逃走 新版

自由からの逃走 新版

自由

近現代の人類の歴史とは、この言葉を中心に回ったと言っても過言ではありません。

人は自由を求め戦い、遂にそれを勝ち取ったが、その重さに戸惑い、遂にはそれを手放してしまった。

かくして、なぜ人はこれほどまでに自由に惹きつけられ、そしてそれを恐れるのでしょうか?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 人間はルネッサンス宗教改革、更には資本主義を通じて歴史上始めて自由を手に入れた。

  • 自由は近代人に独立と合理性を与えた。しかし一方で、個人を孤独に陥れ、個人を不安な無力なものにするという負の側面もはらんでいた。

  • 20世紀初期、多くの人間は自由の重さに耐えられなくなった。それゆえドイツでは、人々は積極的にナチズムのような全体主義イデオロギーに傾倒するようになった。またアメリカやイギリスのような民主主義国家でも、社会が求める既成の行動様式へ順応することで、自由から逃れようとした。

  • 人々は今、自由の重荷から逃れて依存と従属を求めるか、人間の独自性と個性に基づいた積極的な自由の完全な実現に進むかの二者択一を迫られている。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

本書のテーマの1つである「孤独」とは、私にとって、18際のときからの1つのテーマであった。本書の孤独が自由に起因するという仮説は、1つの示唆を与えてくれた。


夏目漱石は、それからにて、自由と孤独からの逃避は両立し得ないことを著している。私もこれに同意する。フロムは積極的な自由なるものを問いているが、それが自由である限り、孤独からは逃げられない。私達に与えられた選択肢は、自由と孤独の包容か、自由を放棄した他者依存だけだろう。ただ、だからと言って、それが悲惨なものとは限らない。

まとめ

今回は、自由の重さについて説いた自由からの逃走を取り上げました。

次回はSBC#35で発表された生物はなぜ誕生したのかをご紹介します。

Sendee Book Club #34:その他の発表図書、関連図書

精神分析入門 (上巻) (新潮文庫)

精神分析入門 (上巻) (新潮文庫)

それから

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SBC#33 [近代世界は1つの巨大な生き物?] - 世界システム論講義

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課題図書

今回は2017年4月26日に開催されたSendee Book Club #33の図書の中から世界システム論講義をご紹介致します。

なぜ世界は今日のようにあるのか?

この問いはいつも、私達の関心を惹きつけて離しません。

本書はこの問いを、世界システムという概念を用いて解き明かします

そこから導き出された答えとは?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 近代世界を1つの巨大な生き物のように考え、近代の世界史をその展開過程としてとらえる見方、それが世界システム論である。

  • 近代の世界システムは、大航海時代の後半に、西ヨーロッパ諸国を中核とし、ラテンアメリカや東ヨーロッパを周辺として広まった。中核とは、世界規模での分業体制から余剰を吸収できる地域を指し、周辺とは、食料は原材料の生産に特化させられる地域を指す。今日、地球上のほぼ全ての地域はこのシステムに取り込まれている。

  • 世界システムが西欧を中心として起こった理由は、この地域が政治的統合を欠いていたからだ。国民国家の集合でしかなかったため、競争が生まれ、軍事力、経済力の発展が進んだのだ。

  • 世界システムは常に、中核が周辺を作り出す形で膨張した。植民地の拡がりも、その1つである。この周辺は、原材料、労働力を生み出す役割を担っただけではなく、中核における邪魔者を処分する役割も担った。

  • 世界システムの歴史では、他の中核を圧倒する超大国、ヘゲモニー国家も存在した。17世紀中盤のオランダ、19世紀中盤のイギリス、第二次世界大戦後のアメリカの三カ国がそれに当たる。ヘゲモニー国家は全て、最初は工業、後に金融を中心産業とするという特徴がある。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

西欧が政治的統合を欠いていたから軍事力、経済力の発展が進んだという仮説は、それだけでは、根拠に乏しい。これには、宗教改革からのプロテンスタティズムの起こり、その思想による資本主義の萌芽も説明されるべきだろう。


現代は世界システムにおいて1つの帰路にたっている。中国がヘゲモニーにならんと台頭しているからだ。非西欧国家のヘゲモニー化が、世界をどう変えるのか。いずれにしても、これまでの世界システムの延長線上に無い可能性は高いだろう。

まとめ

今回は、近代世界を1つのシステムとして考察した世界システム論講義を取り上げました。

次回はSBC#34で発表された自由からの逃走をご紹介します。

Sendee Book Club #33:その他の発表図書、関連図書

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

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SBC#32 [人工知能は量子によって更に輝く?] - 量子コンピュータが人工知能を加速する

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課題図書

今回は2017年4月22日に開催されたSendee Book Club #32の図書の中から量子コンピュータ人工知能を加速するをご紹介致します。

量子コンピュータが人工知能を加速する

量子コンピュータが人工知能を加速する

D-Wave

この量子コンピュータ製造企業の出現は、世界を驚愕させました。

実現はまだ難しいと思われていた量子コンピュータを商用化しただけでなく、なんと従来のコンピュータに対し1億倍の性能を出すことに成功したと言うのです。

また、それは人工知能の性能も大きく加速させると。

なぜこのような革新が起きたのでしょうか?

そしてそれは、どうやって人工知能の性能を上げるのでしょうか?

要旨を見ていきましょう。

要旨

補足

  • コヒーレンス時間とは、0と1が重ね合わさった状態を保てる時間である。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

量子力学で生命の謎を解くでは、「生命とはマクロな世界で量子力学的な振る舞いを行うモノ」という定義がされていた。となると、量子コンピュータを生み出すことは、生命を生み出すことに繋がるのかもしれない。そう思うと、ワクワクが止まらない。


確かに量子アニーリングコンピュータは魅力的だ。しかし私はやはり、量子ゲート方式のコンピュータに強く引かれる。これの実現は、本当に世界を一変させるほどの力を秘めているからだ。この実現に何かしらの形で関わってみたい。

まとめ

今回は、量子コンピュータ人工知能への影響を説いた量子コンピュータ人工知能を加速するを取り上げました。

次回はSBC#33で発表された世界システム論講義をご紹介します。

Sendee Book Club #32:その他の発表図書、関連図書

量子コンピュータ―超並列計算のからくり (ブルーバックス)

量子コンピュータ―超並列計算のからくり (ブルーバックス)

量子力学で生命の謎を解く

量子力学で生命の謎を解く

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SBC#31 [世界変えたのは砂糖?] - 砂糖の世界史

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課題図書

今回は2017年4月19日に開催されたSendee Book Club #31の図書の中から砂糖の世界史をご紹介致します。

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

砂糖

この甘味の誘惑は、洋の東西を問わず、知らない人はいません。

しかしこの砂糖が、実は現在の世界のあり方を大きく変えていたことは、あまり知られていません。

実はこの砂糖は、奴隷制産業革命、その結果の西側諸国優位の現代社会を形作るのに大きく関わっていたのです。

しかし、いったいどうやって?

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 砂糖はイギリスが世界の覇権を握るにの大きく貢献した。砂糖は世界で広く取引される商品、言わば「世界商品」であったため、これを支配する国に大きな利益を与えた。植民地戦争で、砂糖の生産に適したカリブ諸島を手にしたイギリスは、砂糖を介した三角貿易で莫大な利益を手にいれた。この利益は、後にイギリスが産業革命を起こすのに大きく貢献した。

  • 砂糖は奴隷貿易を生み出した。カリブ諸島での砂糖の生産には、多くの労働力が必要だった。イギリスなどの生産国は、この労働力をアフリカからの奴隷で賄った。その結果、砂糖の生産量は大きく増えたが、各大陸の人種バランスを大きく変えるという、現代にも残る爪痕を残している。

  • 砂糖は多くの「意味」を有する商品だった。現代においては、食料・調味料としか考えられていないが、当時はその新規性や希少性から、薬、神秘性を持つ嗜好品としても用いられた。

  • 砂糖の普及は、茶・コーヒーの普及も促進し、コーヒーハウス、カフェなどの場を生み出した。これらは知識人の集会所となり、民主主義思想普及、市民革命の土壌となった。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

砂糖がなぜ、これまで人間に快楽を与えるのかに興味がある。砂糖が身体に必要なのは分かるが、塩分等の他の成分と比べて、著しく必要なものとは思えない。しかしなぜ、砂糖だけこれだけ快楽を与えるのか?そのメカニズムを機を見て、掘り下げたい


1つの世界商品から、人類史を考察するのは大変興味深い。ヒトと違ってモノは国境を超えやすい。そのため、世界の潤滑油となりやすい。現在、その他の世界商品として、紙に関心がある。時間を見て、これについても研究していみたい。

まとめ

今回は、砂糖が世界を変えた様について説いた砂糖の世界史を取り上げました。

次回はSBC#32で発表された量子コンピュータが人工知能を加速するをご紹介します。

Sendee Book Club #31:その他の発表図書、関連図書

1493――世界を変えた大陸間の「交換」

1493――世界を変えた大陸間の「交換」

紙の世界史: PAPER 歴史に突き動かされた技術

紙の世界史: PAPER 歴史に突き動かされた技術

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SBC#30 [遺伝子も社会を作る?] - 遺伝子の社会

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課題図書

今回は2017年4月15日に開催されたSendee Book Club #30の図書の中から遺伝子の社会をご紹介致します。

遺伝子の社会

遺伝子の社会

利己的な遺伝子

リチャード・ドーキンス博士が提唱したこの概念は、私達の生命に対する見方を大きく変えました。

「とかく、遺伝子とは利己的なものであり、自分の生存確率を高めるために行動するのである。」

この一文を見ると、遺伝子とは孤立した存在の集合のように思われるかもしれません。

しかし本書の著者は、そうではないと断じます。

なんと遺伝子は、我々人間と同じように、社会を形成していると言うのです。

しかもそれは、人間社会よりも著しく優れた、大変調和のとれた社会だと。

では、彼らはどうやって社会を形成しているのでしょうか。

また、その結果生命には何が起きているのでしょうか。

要旨を見ていきましょう。

要旨

  • 遺伝子は、自分の生存を最優先する、利己的な存在である。しかし、遺伝子は孤立しては生きられない。それゆえ、彼らは社会を形成し、協力や競争という形で、互いに相互作用している。

  • 相互作用の例として、ガン、免疫システム、両性生殖(セックス)が挙げられる。1つ、両性生殖について説明しちあ。これは、遺伝子社会が自らの生存確率を高めるために選んだ手法だ。たえず変化する世界では、遺伝子にとっては、世代毎に変異を含む新たな組合せを試みる方が、単純なコピーを作るより生存確率が高い。だから遺伝子社会は、有性生殖という方法を選んだ。ちなみに、父親精子は何度も細胞分裂を繰り返す。これは変異の発生を増やすことに大きく貢献している。

  • 遺伝子社会を深く突き詰めることで、私たちは生命の歴史を辿ることが出来る。生命の起こり、真核細胞の誕生、動物の形成、その後の絶え間ない進化。遺伝子社会を除くことで、私たち生命は、自らの来し方を振り返ることができるのだ。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

遺伝子の行動原理、マクロスケールの生物と大変似通っている。自らの生存のために、他の遺伝子と協力・競争する様は、私達人間ともそっくりである。彼らの行動原理については納得できる。しかし彼らがなぜそうやって行動できるのかについては、大いに疑問が残る。脳を持たない遺伝子が、どうやって自分に有利な意思決定を行っているのか、その辺について今後研究を進めていきたい。


遺伝子の社会の調和には驚かされる。人間が社会を形成したときに、これほどの調和を形成することは先ず不可能だろう。その観点から、遺伝子がなぜこれほどの調和を維持出来ているかに大変関心がある。そのメカニズムを知ることは、私達がよりより社会を形成するために役に立つだろう。

まとめ

今回は、遺伝子が形作る社会について説いた遺伝子の社会を取り上げました。

次回はSBC#31で発表された砂糖の世界史をご紹介します。

Sendee Book Club #30:その他の発表図書、関連図書

利己的な遺伝子 <増補新装版>

利己的な遺伝子 <増補新装版>

二重らせん (ブルーバックス)

二重らせん (ブルーバックス)

国際秩序

国際秩序

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SBC#29 [生命とは量子力学の賜物?] - 量子力学で生命の謎を解く

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課題図書

今回は2017年4月8日に開催されたSendee Book Club #29の図書の中から量子力学で生命の謎を解くをご紹介致します。

量子力学で生命の謎を解く

量子力学で生命の謎を解く

生命とは何か

シュレディンガーが問いて以降、この深遠なる命題は、未だに私達の前に鎮座しています。

この人類にとって最も重要でありながら、最も困難な問いに対して、本書の著者は一筋の光を照らします。

その鍵を握るのは量子力学

彼らがたどり着いた光とは、一体どんなものなのでしょうか?

要旨を見ていきましょう

要旨

  • 近年、量子生物学という学問が注目を浴びている。これは、量子力学を使って、生命現象を解き明かす学問である。

  • 量子生物学が対象とする分野は酵素作用、光合成、嗅覚や磁気感覚、遺伝など、多岐にわたる。これらの現象には量子力学が関わっていることが既に分かっている。

  • 生命は、量子力学が支配するミクロなスケールより著しく大きい。しかし、量子力学特有の現象に影響を受けている。これは生命以外の物質には見られないものだ。これより生命とは、マクロなスケールにありながら量子力学に支配されるモノ、であると定義できる。

  • 更に本書では、意識、生命の起源といったものまで、量子力学で説明できる可能性があると説く。未だ人間の人智の及ばない、これらの分野を解き明かすカギは、量子力学にあるのだ。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

量子力学が秩序を作り出すという思考は大変興味深い。これまでは、エントロピー増大の法則があるなら、なぜ世界は未だにこれほど秩序だっているのかが不思議だった。しかしそれは量子力学によるものなのだと、今は理解できている。


皇帝の新しい心を著したロジャー・ペンローズ教授も、人間の意識を解き明かすには、量子重力論の確立が必要だと説いた。その点は本書の主張に通じる。これまでは疑念の念を持って感じられたロジャー教授の主張が、本書によって幾分腹落ちして感じられるようになった。

参加者から上がった意見は以上です。皆さんはどのような意見を持たれましたか?

まとめ

今回は、量子力学を用いて生命現象を解き明かした量子力学で生命の謎を解くを取り上げました。

次回はSBC#30で発表された遺伝子の社会をご紹介します。

Sendee Book Club #28:その他の発表図書、関連図書

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則

皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則

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