SBC#10 【人類史上 最も力なき権力者】~ 権力の終焉

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課題図書

今回は2016年11月19日に開催されたSendee Book Club #10の図書の中から 権力の終焉をご紹介致します。

力なき権力者。この矛盾をはらんだ言葉は誰に向けられた言葉なのでしょうか? その答は、この時代の全ての為政者です。

書棚の歴史書を開かずとも分かる通り、かつて権力者とは絶大な力を有するものでした。アレクサンダー大王に始まり、近年のスターリン毛沢東に至るまで、歴史上の権力者と呼ばれる人たちは凄まじい権力を誇ってました。 それこそ、そのときの気分で権力下にある者の生死を左右できる程の。

しかし現代に生きる権力者の権力は、歴史上の彼らのそれと比較すると著しく頼りないものです。それはなぜなのでしょうか?

要旨

  • 近年、支配的な地位にある者が行使できる権力は衰退している。それはマイクロパワーの台頭による。ここで言うマイクロパワーとは、支配者に成り変わる力は持たないが、支配されることも無い者たちの総称である。

  • マイクロパワーの台頭を促したのは3つのMの革命である。1つはmore革命、1つはmobility革命、最後の1つはmentality革命である。近年世界は以前より豊かになり(more革命)、人々は世界のどこにでも容易に移動出来るようになった(mobility革命)。それにより、人々の意識に大きな変化が生じた(mentality革命)。多種多様な考えをもつようになっただけでなく、権力に隷属しなくても生きていけるようになったため、権力者は彼らを統治するのが難しくなったのである。

  • この権力の分散化のトレンドは今後も変わらない。今後世界はG0時代を迎えるだろう。即ちどの国にも支配されない世界がやってくる。歴史上初めて世界は相互に依存する、かつ重心が存在しない世界が到来するのだ。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました。

権力は本当に弱まっているのだろうか。私は権力者になったことが無いため分からないが、この仮説には少々疑問を覚える。現在、権力に起こっている実証は「遷移」と「透明化」では無いかと思う。言わずもがな、現在権力は大国からグローバル企業に移っている、これが遷移である。かつ彼らは見えない所で人々を支配するに至っている(例えば個人情報の取得などによって)。これが透明化である。権力の変化の実態はこうなのではなかろうか。

本書の主張に異議を唱える意見ですね。確かに昨今のトランプ現象や、未開発国の独裁者の権勢を見ると、本書の主張に完全には同意できないですね。

マイクロパワーを率いる者としては本書の仮説は勉強になる。戦い方の参考として、本書内で語られているゲリラ組織、信仰宗教団体の戦略は研究してみたい所だ。

本書ではマイクロパワーの例としてゲリラ組織や宗教団体の例が取り上げられます。興味がある方は、是非本書を手にとってみてください。

参加者から上がった意見は以上です。皆さんはどのような意見を持たれましたか?

まとめ

今回は権力の衰退について綴った権力の終焉を取り上げました。 次回はSBC#11で発表されたピクサー創造する力をご紹介します。

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