SBC#25 [コンピューターは心を持ちうるか?] -皇帝の新しい心

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課題図書

今回は2017年3月11日に開催されたSendee Book Club #25の図書の中から皇帝の新しい心をご紹介致します。

皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則

皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則

「コンピュータと心」

人工知能ブームに湧く昨今、コンピュータが知能において人間を凌駕する日も近いと言われています。

そして同時に、コンピュータがいずれというモノを持ちうるのか、というテーマにも注目が集まっています。

本書の著者であり、宇宙物理学の世界的権威であるロジャー・ペンローズ教授は、この問いに対し、現状ではコンピュータは心を持ちえないと断言します。

その真意とは何なのでしょうか?

そして、心を作り出すには何が必要なのでしょうか?

要旨を見ていきましょう

要旨

  • 本書のテーマは「コンピュータは心を持ちうるか」である。このテーマに対して著者は、心というものは、現在知られている物理法則のみでは説明できず、説明するには量子論一般相対性理論の双方を成立させる量子重力論の完成が必要だと主張する。

  • 著者は元来強いAI論の人間の全ての心的活動はアルゴリズムで実装できるという主張に相反し、人間の心は単一のアルゴリズムで解けるものではない、非アルゴリズム的なものだと主張する。

  • 心を理解するために必要な量子重力論、その理解は統一理論をもたらすものだ。即ち、人が心というモノを解き明かすときは、世界の真理を解き明かすときでもあるのだ。

参加者の見解

本書に対し参加者からは次のような意見が出されました

コンピューターが心を持つことに需要はあるのだろうか? コンピューターはインプットに対して、しっかりとアウトプットしてくれれば良いわけで、心を持つことに対する需要は無いと私は思う。


量子物理学者は心、生命というものに洞察を発展させる傾向がある。シュレディンガーもその1人だ。彼は著書「生命とは何か」にて、生命は物理学で語れるか、という考察を行った。量子論を理解し、そして世界がそれによって成り立っていることを知った者は、物理学(量子論)と生命の共存に訝しさを覚え、両者を内包する原理を突き止めたく成るのだろう。


人間は、いつでも理解しやすいストーリーを求める傾向にある。しかし本書は、真理はいつも私達が理解しやすいように、手を差し伸べてはくれないことを示している。

参加者から上がった意見は以上です。皆さんはどのような意見を持たれましたか?

まとめ

今回は心の深遠さを説いた皇帝の新しい心を取り上げました。

次回はSBC#26で発表されたグローバリゼーション・パラドックスをご紹介します。

Sendee Book Club #25:その他の発表図書、関連図書

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

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動画


Roger Penrose: The Emperor’s New Mind, Quantum Mind, Quantum Consciousness, The Laws of Physics

内容が難解なことで知られている本書を著者が英語で優しく説明している動画です。

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