ZBC#73 [琴線の揺らし方] - ベストセラーコード
課題図書
今回は2017年11月4日に開催されたZenport Book Club #73の図書の中からベストセラーコードをご紹介致します。
ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム
- 作者: ジョディ・アーチャー,マシュー・ジョッカーズ,西内啓,川添節子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/03/23
- メディア: 単行本
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千夜一夜物語からダ・ヴィンチ・コードに至るまで、人類は数千年の歴史の中で多くのベストセラーを産んできました。
これらベストセラーには、何か共通する特徴があるのか。それが本書のテーマです。
この問いに対して、英文学の研究者である著者等はある結論を導きます。
その結論とはどんなものだったのでしょうか。
要旨を見ていきましょう。
要旨
ニューヨーク・タイムズの「ベストセラー」500冊と、あまり売れていない4,500冊、計5,000冊の小説を機械学習にかけた結果、ベストセラーになる小説の持つ特徴が分かってきた。
まず違いが顕著なのがトピックについてである。ヒットした作品は「家庭生活」「弁護士と法律」「母親としての役割」のように、現実的かつ少数のトピックに集中して書かれている。一方ヒットしなかった小説は、トピックが分散しており、また「宇宙での戦い」「財政会における駆け引き」などの非日常のトピックを扱う傾向がある。
読者の感情の起伏の付け方についてもセオリーがある。フィフティ・シェイズ・オブ・グレイやダ・ヴィンチ・コードなどのベストセラーは、一定の周期で、読者の感情を上下に揺さぶっている。一方ヒットしなかった小説では、常に読者を幸福な状態に置くか、もしくは陰鬱な状態に置く。
文体にも違いが現れる。ベストセラーはcan’tやI’dなどの略称を多用する一方、感嘆符(!)は使わない。また、sayやaskなどのシンプルな表現を好む。一方ヒットしなかった小説では、shoutやremarkなどの難しい表現で飾り立てる傾向が見られる。
ベストセラーでは、主人公の行動に関わる動詞の登場頻度が高いことも特徴だ。WantやNeedなどの要求を示す表現や、do, reachなどの主体性を持つ動詞が多い。一方ヒットしなかった小説では、halt, drop, waitなどの消極的な動詞の頻度が高い。
参加者の見解
本書に対し参加者からは次のような意見が出されました
本書を読んで想起されたことは、型と個性だ。元サッカー日本代表監督である岡田監督は、サッカーでは若い間に型を覚え、その上に個性を載せるべきだと述べている。これは文章の書き方、また話し方についても同じことが言えるだろう。ストーリーには、万人が心地よいと思う型がある。まずそれを身につけ、その上に個性を載せて差別化する。今一度自分の状況を見つめ、型と個性の習得に取り組みたい。
まとめ
今回は、ベストセラーの書き方について説いたベストセラーコードを取り上げました。
次回はZBC#74で発表された最底辺のポートフォリオをご紹介します。
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